ノーコードWeb制作で作成したサイトでも、著作権が自動的にサービス運営会社へ移るわけではありません。ただし、文章・写真・イラスト・テンプレート・素材などは、それぞれ権利者と利用条件が異なります。誰が何を作ったか、どの素材やサービスを使ったか、契約や利用規約に何と書かれているかによって判断が変わります。
ノーコードWeb制作で作ったサイトの著作権は誰にある?
自分で作成した文章や画像などに創作性があり、他人の著作物を無断で使っていない場合、その部分の著作権は原則として制作した人に帰属します。
一方、ノーコードサービスのテンプレートや提供素材、第三者から納品された文章・画像などは、制作者本人の著作権にならない場合があります。サイト全体を一つの著作物として考えるのではなく、構成要素ごとに権利を確認することが重要です。
| サイトの要素 | 著作権の考え方 |
|---|---|
| 自分で書いた文章 | 表現に創作性があれば、作成者が著作権を持つ可能性があります |
| 自分で撮影した写真 | 原則として撮影者が著作権を持ちます。ただし、人物や建物など別の権利にも注意が必要です |
| ノーコードサービスのテンプレート | サービス提供者などが権利を持ち、利用者には規約の範囲で使用が許可されることがあります |
| フリー素材や有料素材 | 素材サイトの利用規約に従って使用します。購入しても著作権そのものを取得できるとは限りません |
| 外注先が作成した文章や画像 | 契約で著作権の帰属や利用範囲を定めているかを確認します |
| ノーコードサービスの仕組みやプログラム | 通常はサービス提供者が権利を持ち、利用者は利用規約に基づいて使います |
サイト全体に著作権は発生するのか
Webサイトのすべての部分に、同じように著作権が発生するわけではありません。文章、写真、イラスト、動画、ロゴ、プログラムなどは、それぞれ別の著作物として判断されます。
色の組み合わせ、一般的なレイアウト、メニューの配置、サイトのアイデアだけでは、著作権で保護される表現に当たらないことがあります。ただし、複数の素材を創作的に選び、配列したサイト全体が「編集著作物」として保護される可能性はあります。
したがって、「ノーコードで作ったから著作権がない」「サイトを公開したからサイト全体の権利を持つ」と単純には判断できません。
ノーコードサービスのテンプレートを使った場合
テンプレートを使った場合、利用者が自由にテンプレートそのものを複製・販売・配布できるとは限りません。多くの場合、サービスの利用規約やテンプレートのライセンスで、使える範囲が定められています。
確認するのは、次のような条件です。
- 作成したサイトを商用利用できるか
- テンプレートを編集して使える範囲
- テンプレートのデザインを他のサービスへ移せるか
- サービスを解約した後も公開や利用を続けられるか
- テンプレートや素材を単独で再配布・販売できるか
- サービス運営会社が掲載内容を利用できる規定があるか
特に、サービス上で作ったサイトを別のサーバーへ移転したい場合は、テンプレートや出力データを持ち出せるかを確認してください。サイトの内容に関する権利を持っていても、サービスの機能やテンプレートを移転できるとは限りません。
自分で入力した文章や画像の著作権はどうなる?
自分で作った文章や撮影した写真は、創作性が認められる範囲で、原則として作成者や撮影者が著作権を持ちます。ノーコードサービスに入力しただけで、直ちに著作権が運営会社へ移るわけではありません。
ただし、サービスの利用規約に、投稿したコンテンツを運営会社がサービス運営や宣伝のために利用できるライセンスが定められていることがあります。この場合、著作権の譲渡ではなく、利用を許諾する規定になっている可能性があります。
確認する際は、利用規約の「知的財産権」「投稿コンテンツ」「利用許諾」「ライセンス」「退会後のデータ」などの項目を確認します。規約の文言だけで判断しにくい場合は、契約の対象と利用範囲を専門家に確認してください。
フリー素材を使ったサイトの著作権
「フリー素材」は、著作権がない素材という意味ではありません。多くの場合は、一定の条件で無料利用できる素材を指します。
たとえば、次のような制限が設けられていることがあります。
- 商用利用は有料または不可
- 素材の加工やトリミングに制限がある
- 素材単体での再配布や販売ができない
- クレジット表記が必要
- 人物、商標、商品などへの利用が制限される
- 利用できる媒体や地域が限定される
素材を使う前に、配布元の利用規約を確認し、ページのURLや確認日、利用条件を記録しておくと、後から条件を確認しやすくなります。
外注や従業員がノーコードで制作した場合
外注先が作ったサイトの著作権が、依頼者へ自動的に移るとは限りません。制作費を支払ったことだけで、著作権の譲渡まで完了したと判断できるとは限らないためです。
依頼時の契約書や発注書で、少なくとも次の点を定めておくと、権利関係を確認しやすくなります。
- 著作権を誰が持つか
- 著作権を譲渡するのか、利用許諾にするのか
- 修正、複製、掲載、広告利用ができるか
- 納品後に別の制作会社へ修正を依頼できるか
- 第三者の素材やテンプレートを使っているか
- 著作者人格権について、どのように扱うか
従業員が職務として作成した著作物は、一定の条件を満たす場合に法人著作が認められることがあります。ただし、制作の状況や会社の規定などによって判断が変わるため、会社のサイトでは制作体制と社内規定も確認してください。
ノーコードWeb制作で著作権侵害を避ける確認手順
公開前には、サイトの各要素を分けて、権利と利用条件を確認します。
- 使用した素材を一覧にする。文章、画像、動画、音楽、ロゴ、フォント、テンプレート、プラグインなどを書き出します。
- 作成者と入手先を確認する。自作なのか、外注なのか、素材サイトから取得したのかを整理します。
- 利用規約や契約書を確認する。商用利用、加工、掲載期間、再利用、クレジット表記の条件を確認します。
- 第三者の権利を確認する。人物の肖像、企業のロゴ、商品画像、音楽、他社の文章などを無断で使っていないか確認します。
- 証拠を保存する。契約書、利用規約、素材のライセンス、購入記録、許諾メールなどを保存します。
- 不明な素材は公開前に置き換えるか許諾を取る。利用条件を確認できない素材を、推測で使い続けないことが大切です。
著作権と商標権・肖像権は別に確認する
著作権の問題がなければ、サイトを自由に公開できるとは限りません。人物写真には肖像に関する権利、企業名やロゴには商標権、建物や商品には別の利用条件が関係することがあります。
たとえば、写真を撮影した人から著作権の利用許諾を得ていても、写真に写った人物の広告利用まで許可されているとは限りません。サイトの目的が企業紹介なのか、商品広告なのかによって、必要な許諾を分けて確認します。
著作権制度の基本は、文化庁「著作権制度の概要」で確認できます。個別の契約や侵害の判断は、掲載する素材、利用方法、契約内容によって変わります。
ノーコードWeb制作の著作権を判断するポイント
判断の出発点は、「サイトをノーコードで作ったか」ではなく、サイト内の各素材を誰が作り、どの条件で使っているかです。
- 自作の文章や画像は、創作性があれば自分に著作権がある可能性がある
- テンプレートやサービスの機能は、利用規約の範囲で使う
- フリー素材は、無料でも利用条件を守る必要がある
- 外注制作では、著作権の帰属と利用範囲を契約で確認する
- 著作権とは別に、肖像権や商標権なども確認する
まずはサイトの文章・画像・テンプレート・外注成果物を一覧にし、それぞれの出典と利用条件を確認してください。権利の帰属や契約内容に争いがある場合は、公開や再利用を進める前に、弁護士などの専門家へ相談するのが安全です。







