ノーコードサイトは、商用利用できるサービスが多い一方、サービスの利用規約を守ること、料金プランの条件を満たすこと、掲載する素材や情報の権利を確認することが必要です。無料プランのまま広告収入や商品の販売に使えるとは限らず、商用利用が禁止・制限されている場合もあります。
判断するときは、ノーコードツール本体だけでなく、テンプレート、画像、フォント、プラグイン、決済機能などの利用条件も個別に確認してください。
ノーコードサイトを商用利用する主な条件
商用利用の条件はサービスごとに異なりますが、主に次の5点を確認します。
- サービスの利用規約で商用利用が認められていること
- 無料プラン・有料プランごとの利用条件を満たしていること
- 掲載する画像、文章、動画、フォントなどの利用許諾があること
- 個人情報や決済を扱う場合に、必要な表示と安全対策を行うこと
- サイトの内容が法律やサービスの禁止事項に違反していないこと
「ノーコードで作ったサイトだから商用利用できない」という決まりが一律にあるわけではありません。問題になるのは、利用するサービスや素材の契約条件です。
最初に確認するのはサービスの利用規約
商用利用を始める前に、利用するノーコードサービスの規約で「商用利用」「禁止事項」「コンテンツの権利」「料金プラン」の項目を確認します。
利用規約に商用利用の可否が明記されていない場合、記載がないことを理由に「利用できる」と判断しないでください。運営会社への問い合わせが必要なことがあります。
確認する項目
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 商用利用 | 商品販売、広告収入、集客、業務利用、顧客向けサイト制作が認められているか |
| 料金プラン | 無料プランでの商用利用の可否、有料プランが必要な機能、利用できるサイト数 |
| 広告表示 | 無料プランで運営会社の広告が表示されるか、非表示にできるか |
| 独自ドメイン | 独自ドメインの利用条件や、別途必要な費用 |
| データの扱い | 作成したサイトや入力データの権利、サービス終了時の移行やバックアップの方法 |
| 禁止事項 | 販売できない商品、禁止されている広告、成人向け・金融関連などの制限 |
特に注意が必要なのは、商用利用そのものは認められていても、無料プランでは独自ドメインや決済機能が使えないケースです。商用利用の可否と、必要な機能を使えるかどうかは分けて確認します。
無料プランでも商用利用できるとは限らない
無料プランの利用可否はサービスごとに異なります。無料でサイトを公開できても、広告収入、商品の販売、顧客からの申込み受付などが制限されていることがあります。
また、商用利用が可能でも、次のような条件が付く場合があります。
- 運営会社の広告を表示する
- サービス名が入ったサブドメインを使う
- 決済機能や予約機能は有料プランのみ利用できる
- 容量、ページ数、アクセス数に上限がある
- 商用サイトでは特定のプランへの加入が必要
そのため、無料で始められるかではなく、商用目的に必要な機能を規約内で使えるかを基準に判断します。
目的別に異なる商用利用の確認ポイント
会社案内や店舗サイトとして使う場合
会社情報や店舗情報を掲載するだけでも、事業の集客に使うなら商用目的に当たる可能性があります。サービスの利用規約で、企業サイトや営業目的のサイトが認められているか確認してください。
問い合わせフォームを設置する場合は、取得する個人情報の利用目的や管理方法を示す必要があります。フォームの提供元が取得した情報をどのように扱うかも確認が必要です。
商品やサービスを販売する場合
販売機能を使う場合は、ノーコードツールの利用規約に加えて、決済サービスの規約や通信販売に関する表示も確認します。
日本国内で通信販売を行う場合、販売者の氏名または名称、住所、電話番号、販売価格、送料、支払方法、返品条件など、取引条件に応じた表示が必要になります。表示内容は商品や販売方法によって異なるため、必要な項目を確認して掲載してください。
ノーコードツールに決済機能があっても、決済サービスの審査や禁止商品に関する条件を満たせるとは限りません。利用する決済会社の規約も別に確認します。
広告やアフィリエイトで収益化する場合
広告収入やアフィリエイトも、サービスによっては商用利用に含まれます。広告掲載を禁止していないか、無料プランで広告コードを設置できるかを確認してください。
広告やアフィリエイトを掲載する場合は、広告であることが分かる表示も必要です。広告主や広告仲介サービスの規約により、禁止される表現や掲載場所が定められていることもあります。
顧客や取引先のサイトを制作する場合
自分のサイトではなく、顧客から報酬を受け取ってサイトを制作する場合は、ノーコードサービスの「第三者向け制作」「代理制作」「再販」に関する条件を確認します。
契約前に、次の点も決めておくとトラブルを防ぎやすくなります。
- サービスの契約者名義
- ドメインやサイトデータの所有・管理者
- 月額料金や更新費用を誰が支払うか
- 解約時にサイトを移行できるか
- 修正や保守対応の範囲
顧客の代わりに自分のアカウントで契約すると、契約終了後の移管や料金支払いで問題になることがあります。可能であれば、顧客自身を契約者にして制作担当者を招待できる形を検討します。
テンプレートや画像の商用利用も確認する
ノーコードサービスの利用許可があっても、サイトに使う素材を自由に商用利用できるとは限りません。テンプレート、写真、イラスト、アイコン、動画、音楽、フォントには、それぞれのライセンスがあります。
次のような条件を確認してください。
- 商用利用が認められているか
- クレジット表記が必要か
- 素材の再配布や単体販売が禁止されていないか
- ロゴや商標として利用できるか
- 人物写真を広告に使う許可があるか
- 有料素材の契約が終了した後も掲載できるか
「無料素材」と書かれていても、商用利用可能とは限りません。また、素材を加工できても、素材そのものをロゴや商品として販売できるとは限らないため、利用範囲まで確認します。
個人情報を扱うサイトに必要な確認
問い合わせフォーム、予約フォーム、メールマガジン、会員登録などを使う場合、氏名やメールアドレスなどの個人情報を取得します。ノーコードサービスとフォーム・メール・決済の各事業者が、入力情報をどのように処理するか確認してください。
サイトには、利用目的、問い合わせ窓口、第三者提供の有無など、事業の内容に応じたプライバシーポリシーを掲載します。アクセス解析や広告でCookieなどを使う場合は、利用するツールに応じた説明も必要です。
個人情報を海外の事業者やクラウドサービスに保存する場合は、保存場所や委託先などの条件が関係することがあります。重要な個人情報を扱うサイトでは、サービスのデータ処理条件を確認してから導入してください。
商用利用を始める前の確認手順
次の順番で確認すると、契約後に使えない機能が分かる問題を避けやすくなります。
- サイトの目的を決める。会社案内、集客、販売、広告、予約受付など、実際の使い方を書き出します。
- 利用するノーコードサービスの利用規約で、商用利用と禁止事項を確認します。
- 必要な機能を整理します。独自ドメイン、決済、フォーム、予約、アクセス解析などを一覧にします。
- 無料・有料プランごとに、必要な機能、広告表示、容量、利用できるサイト数を確認します。
- 画像、フォント、テンプレート、プラグインなどのライセンスを確認します。
- 個人情報や決済を扱う場合は、プライバシーポリシー、特定商取引に関する表示、返品条件などを準備します。
- 規約に商用利用の可否が明記されていない条件は、運営会社や提供元に問い合わせ、回答を保存します。
- 公開前に、スマートフォン表示、問い合わせ送信、決済画面、リンク、表示義務のある情報を確認します。
問い合わせるときは、「自社商品の販売」「広告収入」「顧客サイトの制作」など、実際の利用方法を具体的に伝えることが大切です。「商用利用できますか」だけでは、回答の対象が不明確になる場合があります。
商用利用できるか判断できないときの考え方
利用規約に商用利用の記載がない、無料プランの扱いが不明、素材のライセンスが確認できないといった場合は、利用できると断定しないでください。
特に、次の条件が残っている場合は、公開や販売を始める前に確認が必要です。
- 広告収入や販売が商用利用に含まれるか不明
- 顧客向けの代理制作が認められているか不明
- テンプレートや素材の商用利用条件が不明
- 入力した個人情報の保存先や委託先が不明
- 解約後にサイトやドメインを移行できるか不明
確認できないまま使い始めると、後からプラン変更、素材差し替え、サイト移転が必要になることがあります。重要なサイトほど、規約や問い合わせの回答を保存しておくと、後で条件を確認しやすくなります。
ノーコードサイトの商用利用で確認すべきこと
ノーコードサイトの商用利用は、サービスの利用規約で許可され、必要なプランや機能の条件を満たしていれば可能です。ただし、無料プランの扱い、顧客向け制作、決済、広告、素材のライセンスはサービスごとに異なります。
まずはサイトの目的を決め、利用規約、料金プラン、素材の権利、個人情報や販売に関する表示を順番に確認してください。条件が明記されていない場合は、利用できると推測せず、提供元に具体的な利用方法を伝えて確認するのが安全です。







